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小さな町の小さなライブハウスから



小さな町の小さなライブハウスから

定価:¥1,890円
(本体¥1,800+税)
A5判、並製本、352頁
ISBN4-902324-03-2 C0073


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万象堂 著者インタビュー
話し手:片山 明 氏
聞き手:平田憲彦(万象堂)
2006年11月11日 神戸・灘にて


小さな町の小さなライブハウスから
著者インタビュー

12 小さな文化





── 好きな本って、どんなのですか?

やたら存在感のある本というのは手にしているんですよ。美術系の本、李禹煥の本なんかすごく良くて、あれは多分活版印刷じゃないかと思って。もう字しかないんですよ。何も工夫もない。けど、すごくインパクトがあって、美しい。

── 行きました? 李禹煥さんの。

横浜の展覧会は行けなかったんですけどね、行った人が本を買ってきて、どういう行き違いか何か2冊買ってしまったみたいで、1冊くれたんです。

── あれは素晴らしい本ですよ。

でも今回、よく綱渡りできたなと思ってるんです。

── 片山さんのパワーですよ。

どうなるか分からないみたいなところとか、デザインのこととなるとほとんど未知数でね。「よく出せましたね」という声も聞こえてきてます……

── そうかもしれない。

心意気に感心したという声を聞いたことがあるんです。それは、ハッピー・アンド・アーティーの世界とか、アメリカン・ルーツ・ミュージック、それも特にウッドストックに特化したような音楽を扱った本を出すというのは、かなり異常なものだというふうなとらえ方をする人がいる。それを神戸の小さな出版社が出した。すごいね、これ。そういう意見もあるんです。よく出版社が理解して出しましたねってね。

── 僕にしてみても、毎回が挑戦みたいなもんです。採算は大事なんだけども、それだけでは本は残らないんですよね。もう出荷依頼は来てます。

すごくありがたいです。

── 出荷依頼が来て出荷する、返本はあると思うんだけど、繰り返し出荷する。すると、本はどんな人でも買える。それはもうありがたいことだと思う。扱ってくれるというのは。

正式に書店に並ぶというのは感動するだろうな。置いていただけるなんていうのはすごくありがたくてね。初めて置かれる日、その日はもう仕事を入れないようにしよう。

── 突然流通し始めるという感じになりますから。

東京の最終日に知り合った人。ライブに来て、しかも本を買っていただいたので、お礼のメールを打って、それに対しての返事なんですけどね。音楽ライターの方だったんですけど。温かいお褒めの言葉をいただいて。ありがたいです。

── これで思い切って棺おけに行けますよ(笑)。

本は死んでしまってもこれは残るからね。国会図書館にも入れていただけるし。国会図書館というのはある意味では棺おけかなと思いますけどね。

── 僕は思うんです。歴史をつくってるんですよ、本というのは。作者の思いというのは、もちろん個人的なものなんだけれども、それは社会につながっているんです。

もう意外な動きというのも始まっていて、誰かがブログに書いてくれたらしいです、こんな本があると。ブログのことを本人はまだ知らないだろうと、僕に知らせてくれた人がいて。そんなことって起こっていくんだなと驚いているところです。

── ちょっとずつ広まっていく。それが文化になるんですよね。小さい文化なんだけれども、今までになかった文化。これは大きなことだと思うんです。

この本は、誰も書いてくれなかったんです。誰かが書かないかと思っていたところ、自分で書いたと。これを読んで誰かがCDを買うとか、その辺の音楽に注目しようというふうな気持ちになってくれる人がいるだろうから、それだけでやったかいはあったなと思っているんですけどね。



インタビューは以上です。ご愛読ありがとうございました。


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